2013年1月2日水曜日

現在の身体のリアリティ

現代に生きている私(たち)の身体を、どのように表現したらよいのだろうか。


無題
アスファルト、トウガラシ、シナモンパウダー、糊

これが、私の感じる、現在の身体のリアリティである。
もはや私たちは、素直に五体を表現することは出来ない。

私たちの身体は2つのオリジンを持つ。一つは、生命誕生から引き続いている長い歴史の中に位置づけられている。もうひとつは、現代の技術文明に位置付けられている。私たちの身体は、現代の技術文明に寄生して生きているとも言える。

私たちの身体の、この2つのオリジンは、互いに相容れるものではなかったはずだ。しかしそれでも私たちは、何とか調和を保っていた。
しかし、あの時、調和が破れ、恐ろしい実態を見てしまった、「見た」という生易しいものではない。完膚なきまでに叩きのめされた。
東日本大震災が引き起こした津波が、街や人を飲み込み私たちの身体をメチャクチャに痛めつけた。また、私たちはその後の放射能汚染の見えない不安と戦う日々を過ごしてきた。

だから私は身体を思うとき、信頼を置いていると同時に、ある違和感を・・・いや不快感を感じる。
重要なのは、そのことを感じ取る感受性だ。自分の身体感覚のみならず地球レベルで広がっている現代の技術文明の感覚のリアリティを、自分の感覚のリアリティとして実感することだと思う。



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