
東京現代美術館のレベッカ・ホルン展にいってきました。
すでにレビューのブログがたくさん出ていますので、「レベッカ・ホルン」で検索してご覧ください。
レベッカ・ホルンは現代美術の第一級の作家であり、
その実力、センス、高名さ、どれをとっても超一流です。
私も昔ゲッゲンハイムの美術館の分厚いカタログを買ったほど敬愛する作家の一人です。
今回の展示にも身震いするようなセンスのよさ、
そして、背骨や睾丸をひっかかれるような
生理的な(快感のような嫌悪のような)
なんともいえない感覚を感じました。
しかし・・・
今、私の推進する「感覚で世界を捉える」観点でみると、
レベッカ・ホルンの作品群や方法は
密室の中でバラバラにされ、行き場を失った身体という感じがします。
身体や精神は見えない部分が多いのですが、
レベッカ・ホルンは科学的ともいえるような視点で
それを照明の元にさらけ出し、見えるようにしてくれます。
まるで、病気にかかった人が、
点滴のチューブや心電図のような機械につながれて
自分の肉体を再発見するような感じです。
(それは、レベッカ自身が、長期入院の回復過程で
現在の作風を確立したということと関係があると思います。)
つまり、科学的・医学的な空間(実験室や病院)の中でバラバラにされ、
そしていまだにその実験室の中から出られないでいるのです。
いえ、出ようとも思っていないらしい。
冷たいメスや注射針が身体につきささるのを美だと思っているのか?
・・・・
と、ここまで書いて私は思います。
私はそこから確実に出ているか?
私の身体は、私の視点・感覚、そしてそれを表す作品は、
科学的・医学的呪縛から離れているか?
出ようとしていて、まだ出ていないのではないか?
いや、出ようとしている途中なのだろう。
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