2010年4月24日土曜日

映画 ザ・ムーン を観て: 「全ては一つだ」



このDVDは面白い。

月に行った宇宙飛行士たちのインタビューと
宇宙空間や月面の映像を駆使したドキュメンタリー。

似たようなドキュメンタリーは他にもあるが
この映画は映像や構成が特に優れている。

月面の映像は、いままで見た中で一番鮮明で
神々しさを間近に感じる。
もうロードショー上映は終了したが、サイトはまだ掲載されている。

インタビューはどれも興味深いものだった。

中でも私の目を引いたのはアポロ14号のエドガーミッチェッルの言葉。
以下、字幕を引用します。

「最高の喜びは帰路に待っていた
窓から2分ごとに
地球 月 太陽が見え
そして見渡す限りの
広大な宇宙空間
圧倒されるような経験だった。
そして気づいた 己の肉体の分子も
宇宙船の分子も
クルーの仲間の肉体の分子も
その原型ははるか昔に宇宙で
つくられたものだと
すべてはつながっていて一体なのだと
他と私ではなく万物は1つなのだと
そしてエクスタシーに包まれた
真の自己に 悟りに触れたのだ」

全ては一つであり、つながっている。
あらゆるものは同じである。

荘子はこれを万物斉同と言っている
ニーチェが言うには 大いなる正午

このことはいろいろな人が、いろいろな仕方で言っているが
言っていることは大同小異で、
全ては同じでつながっているということと、そして強烈な幸福感である。

さて、私が憂慮するのはこのようなアイデアの社会の側の扱いである。
このようなことを「神秘体験」「特殊体験」として隔離し
「到達すべき悟りの世界」と捉えるような見方である。

こういうことは
むしろ普遍的なこと、当たり前でなんでもないことという風に考える風潮のほうが
望ましいと思う。むしろ日常的な話題にさえなるような。
いや、そのようにしなければならないと思う。

ところが、我々の現時点の社会では、このことが特殊な文化となってしまってるし
怪しげな分野に押し込められている。
(エドガーミッチェルの物言いも、ニューエイジ系の味付けがあるような気がする)

このようなアイデアを神秘主義から解き放ち、きちんと社会的に機能するような
文化的な回路をつくること。
それが私の目指しているものである。


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