2010年4月12日月曜日
なぜそれは秘密なのか
感覚で伝えられる文化は、大抵が秘密だ。
例えば
錬金術は、厳しい秘密主義が守られていた。
アボリジニの儀式の内容も参加者以外には秘密にされている。
チベット医学にはテキストがなく、師弟による直接の教授によって学ぶしかない。
神話が語られる時と場所は限定されていて、
特定の時の限られた人にしか話されない特別な話だった。
今のように神話が書物に書かれているのは
後世の文明社会が「研究」のために書いたものが多い。
感覚を頼りにする以上、言葉で表現することは非常に難しい。
テキストに書くことができない、もし書いたとしても誤解を招くことになり
非常に危険だ。
また言葉によって流通することによって、消費され、
求心力を失うことにもなりかねない。
何よりも、その感覚が充足した「空間」が必要なのである。
その感覚は、再現したり、伝えたりすることが非常に難しい。
さて、あらゆるものを消費するこの現代社会にあって
感覚的な空間を作り出すことが可能だろうか。
その空間を保持し、言葉によらずして他者に解らせ、
広めていくことが可能だろうか。
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