中之条ビエンナーレを振り返って感じたことは
「ここに居る」ということだ。
勿論、単に物理的に在るということだけではない。
この肉体から離れず
この心から離れず
この場所から離れず。
この3つが一致して初めて「ここに在る」ことはできる。
私は東京の日常があるから、中之条には、週末ごとに通っていた。
日帰り制作か、せいぜい一泊である。
しかし、滞在制作が基本であり、現場の空気を吸って現地のものを食べ
現場で考えなければ、やはり良いものはできないものだと感じた。
翻って、現在の私の住む場所はどうだ。
東京の住宅街で、特に何の特徴も無い。
自然豊かでもない。
はっきりいうと私はこの場所が好きではない。
飯能に生まれ育った私は、山や川が身近にあるのが本当の暮らしであり
今居るところは仮住まいという感じがしていた。
しかし、・・・しかしである。
現実に私は好むと好まざるに関わらずこの場所に居るのであり、
そうである以上、この場所から考える以外にないはずだ。
遠くのことを思うのではなく、今あるところを見るべきだ。
そう思って家の周囲を見渡すと、確かに操作できる素材がある。
私は、私の周囲の無意味なものたちに、意味を与えていかなければならない。
意味を与えることが、生きているということだからだ。
それらのことをなすために、
梶井基次郎は、大きなヒントを与えてくれている。
にほんブログ村
0 件のコメント:
コメントを投稿