2011年10月16日日曜日

ここに在るということ

中之条ビエンナーレを振り返って感じたことは
「ここに居る」ということだ。

勿論、単に物理的に在るということだけではない。

この肉体から離れず
この心から離れず
この場所から離れず。

この3つが一致して初めて「ここに在る」ことはできる。

私は東京の日常があるから、中之条には、週末ごとに通っていた。
日帰り制作か、せいぜい一泊である。
しかし、滞在制作が基本であり、現場の空気を吸って現地のものを食べ
現場で考えなければ、やはり良いものはできないものだと感じた。


翻って、現在の私の住む場所はどうだ。

東京の住宅街で、特に何の特徴も無い。
自然豊かでもない。
はっきりいうと私はこの場所が好きではない。
飯能に生まれ育った私は、山や川が身近にあるのが本当の暮らしであり
今居るところは仮住まいという感じがしていた。

しかし、・・・しかしである。

現実に私は好むと好まざるに関わらずこの場所に居るのであり、
そうである以上、この場所から考える以外にないはずだ。
遠くのことを思うのではなく、今あるところを見るべきだ。

そう思って家の周囲を見渡すと、確かに操作できる素材がある。

私は、私の周囲の無意味なものたちに、意味を与えていかなければならない。
意味を与えることが、生きているということだからだ。

それらのことをなすために、
梶井基次郎は、大きなヒントを与えてくれている。




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