2011年9月23日金曜日

土地の物語を作る

僕らはアスファルトで覆われた地面の上を歩いている。
そこでは、土地の固有の歴史が消えている。
雨風に侵食され、大地の隆起や河川の通ったあとや
植物が生い茂り、動物たちが生息し、人間が手を入れてきた
・・・そのような土地の歴史があったはずだ。


アスファルトは、それを覆い隠す。


このノッペラボウになった都市空間のなかで生活することは
歴史から切り離され、宙ぶらりんになった状態である。


住むということは、土地の物語を理解し、またそこに関与していくことだ。


主というべき大魚の生息する(といわれている)沼や、
狐が出るという一本松や
幽霊が出るという噂の屋敷や
・・・そういうものと共に生きていくということ。


だがいまやそういうものは無い。


どこまでも合理性が支配する町並み。
近代的な目が行き届いた町並みだ。
もはや、物語を復活させるには遅すぎるような気もする。


そうなると、そういう物語を、自分で作っていくしか無いのではないか?


私自身が池の主になり、狐になり、幽霊になるしかないのではないか?


だが、そのようなことは、どのように可能であり、
どの程度有効なのだろうか?




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