2010年9月6日月曜日

歴史家 保苅実氏の写真展が開かれています。

池袋の立教大学で開かれている「保苅実 写真展 『カントリーに呼ばれて』」に行って来た。
立教大学
7号館前

会場の様子。
写真展開催の詳細はこちら
http://joha.jp/?eid=113
保苅氏は写真家ではない。オーストラリアのアボリニの村に滞在し
そこで暮らす人々から歴史伝承を聞きだした歴史家である。
彼の言説関してはこのサイトの右の方にリンクがある。
私はこのサイトで「歴史的身体」というものを知った。

歴史は過去にあったもののことではない。
現在いる人間が身体を通じて作り出しているものである。
「歴史する」という動詞を彼は使う。

保苅氏の著書については、前に私のHPで書いたことがあるのでそれをリンクします。
http://www.te-tajima.com/Books/hokari_kitsune.html

彼の大胆で、しかも自らの身体によって実践した歴史認識は、
歴史学のみならず、いわゆる先進国のありかた全体に、いや国際社会全体に
インパクトをあたえるような類のものであるはず。

2004年にわずか32歳で夭折したのが本当に悔やまれる。

写真展は保苅氏が、アボリジニの村で暮らしていたときの写真と、それに関連する著作からの言葉で構成されています。
サイトや本で読むのとはまた違った感じがあります。
会場では保苅氏の生前を知る人たちのインタビューも流されていて、これが興味深い。
リュックに這っていたアリをヒョイと捕まえて「これは食べられるんだ」と食べてしまう保苅氏自身の映像も入っています。
オーストラリアで撮られたらしいビデオだ。無精ひげを生やしているが、人懐こそうな
そしてイタズラ好きな感じの、ある意味で少年のような男の顔だった。

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