2012年5月14日月曜日

ユニバソロジについて

NASA宇宙飛行士として初めて宇宙へ行った日本人の
毛利衛さんが書いた「宇宙から学ぶ  ユニバソロジのすすめ」という本を読んだ。


宇宙から学ぶ――ユニバソロジのすすめ (岩波新書)


わかりやすい文体で書かれた本だが、毛利さんが言おうとしている「ユニバソロジ」の内容は非常に難しく感じた。


それは、たぶん、宇宙に行った毛利さんが実体験として感じたことだからだろう。


例えば、以下のような印象的な記述がある
スペースシャトルにはエアロックという船外活動のために出入りする設備がある。そこの壁は内張りがなく鉄板がむき出しになっている。


「わたしは何気なく、その鉄板の壁をぺたっと手でさわりました。すると驚いたことに、すごく冷たいのです。そのあまりの冷たさに、私は「ああ、この鉄板一枚を隔てて、外はマイナス150度の宇宙空間なんだ。そうか、この鉄板の向こうは死の世界なんだ」と感じました。


その一方、地球や人類はなんら特別な存在ではない、と感じたという。「あるようにしてある」そして、地球や人類が居なかったとしても何の問題もない。・・・・その達観した視点がすぐさま了解できたということです。


そのような普遍的な考えかた。
毛利さんは地球に帰ってきてからそれにふさわしい言葉を捜し、ふと浮かんだのはuniverse(宇宙・万物・普遍)に学問を表すlogyをつけた、ユニバソロジという言葉です。


ユニバソロジとは普遍的、多面的、全体的なものの見方である。


それは普遍的な視点である。
人類がいなくても地球や宇宙はある。また人類のような生命も宇宙のあちこちに存在しているかもしれない。地球も生命も人類もなんら特別な存在ではない。


そして、「生き延びる」ということが非常に重要だという。これは、生命種はネットワークをつくり、種として生き延びる知恵を伝えあう能力を持っているということだという。




毛利さんのいうユニバソロジは、荘子のいう万物斉同に非常に近いと思う。
万物斉同とは、全てのものは同じ価値を持ち、全ては繋がっていて同一の現象だということだ。
毛利さんは、宇宙へ行った実体験をもとに語っているので、その解釈はとても現代的なものになっている。






ユニバソロジの考え方はこっちのリンク記事が印象深かった。一読の価値あり。


http://www.natureinterface.com/j/ni13/P006-P009/








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