呼吸をしなかった日はあるまい。
呼吸の仕方を教わったこともない。
呼吸しなければ死んでしまう。
しかし呼吸は他の内臓の動きと違って意識して止めたり速めたりすることができる。
命をつなぐものであるはずなのに、自分で制御できる。
だから呼吸は、肉体と意思の間にある。
著者の齋藤孝氏は明確に言っている。「呼吸は身体と精神をつなぐものである」と。
日本には身体の文化があったと、齋藤氏は主張する。
腰肚(コシ・ハラ)の文化である。
丹田にある身体の中心感覚、まっすぐ立つ、歩くなどの技。
この豊かな身体文化は、長い時間をかけて培ったものであるが。
昭和初期に軍国主義と結びつき、極端な精神主義となった。
そして戦後、日本の豊かな身体文化は壊滅した。
いま目立つのは日本人の姿勢の悪さである。
保守の論客と言われている人たちの言うことを聞いていると
日本の伝統や文化に言及している場合も、説教臭い。
外国に対抗して、日本人であらねばならないというような
何か観念的なものを感じる。
齋藤氏は、ずたずたになった日本の身体文化の断片を拾い集め、
自分の身体を通じて復活させたのである。
身体を精神の結合は、観念や直観という類のものではなく
技・技術なのである。
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呼吸ほど、生物学の基礎として重要、かつ難しい事はございません。解糖系、ピルビン回路、電子伝達系、(であってたと思いますが、)そうしたことを、学生におしえないといけないので、What is Life?ではそのうちやります。
返信削除呼吸は無意識と言いますが、意識して止められます。止め続けたら、なぜ苦しくなるのか、なぜ、死ぬのか、それを精神などで考えずに、と思うのみです。