2011年12月30日金曜日

千葉コンビナート地帯に行ってきました

すでに書いてきたように私は、自然-身体-精神-社会 をつなぐことを目指しているのだが
最近は身体と自然をダイレクトにつなごうとすることに無理を感じている。
なぜなら、私たちは、巨大な産業に取り囲まれており、
それがなければ実質的に生活することができなくなっているからだ。
決してダイレクトに自然に接しているわけではない。
だから、 自然-社会-身体  
というふうに順番を入れ替えなければ、ならないわけだ。


つまり、社会を自分の身体として感覚的に理解する、ということが
必要になってきている。
これは大きな課題だ。


そのような努力を続けていたある日、Google mapを見ていて気がついた。
関東の地図を見ていると、東京湾は人工的な埋め立てでできていることが良くわかる。
その中で、私が注目した箇所がある。
千葉にあるコンビナート群だ。






木更津から千葉市まで、延々20km以上にわたって、石油コンビナートが続いている。


石油精製所は多数。3つの火力発電所、2つの大きな製鉄所がある。
産業の主な素材である、粗鋼、精製石油、プラスチックの原料であるペレット、などなど、がここで作られている。
日本の産業の原料の多くがここで作られているのだろう。


「産業の身体化」を考えている私としては、是非、見に行きたい所です。


というわけでクルマで見に行ってきました。


実際言ってみて、驚いたのですが、それらコンビナートは、地上からは殆ど見ることができないのです。


国道16号線が、コンビナートに沿って走っています。
この16号とコンビナートの間には、樹木が植えられており、中の様子を見ることはできません。
もちろん中は、企業の私有地ですから、関係者以外は立ち入り禁止です。
東京湾に突き出した広大な工場の土地は、見ることはできないのです。
驚くべきことに、これだけの基幹産業施設が実質的に不可視であるわけです。

Google MapやGoogle Earthのほうが全体が見えて興味深いし、中の様子も良くわかります。



左にコンビナート工場群があります。
右の森と送電線の向こうに国道16号線があります
。ここは一種の緩衝地帯です。


国道16号線から見える煙突



樹木の間から見ることができた、
石油精製施設のごく一部
16号の枝道から入って見えた工場施設の一部


3時間ほどクルマでコンビナートの前の道をうろついて、帰って来ました。
コンビナートを間近に一望できることを期待していたのですが、それは徒労に終わり、
逆にこれまでと同様、「社会インフラは目に触れないようにされている」と確認してきたのでした。

しかし、家に戻って考えてみると、自分の身体が大きくなっているような感じがします。

「社会システムを感覚で捉えること」 「産業の身体化」は、自然を感じることにくらべて
決して気持ちの良いものではありませんが、
大きなものに触れて、すこし産業システムを実感できたようだ。

肯定も否定もすることなく実感すること。
わたしはそういう「社会的身体」を作りつつあるらしい。



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2011年12月24日土曜日

社会的身体

そもそもこのメッセージサイトのテーマは
自然-身体-精神-社会 をつなぐということだが
現実には自然と身体の間には、どうしても社会が挟まってしまっている。
自然と身体が直接つながっているというのは
現状を無視した理想的な状態だ。


私たちは、食べるもの、着る物、飲む物、すべて
産業と技術から提供されている。


私たちはあらゆる意味で社会の「中に」生きている。
その事実を無視しては、何事も進まないだろう。


だから社会と身体を直接つなぐこと、つまり
「社会的な身体」を生成することが必要だ。


たしかに人間は社会的な生き物であり、
誰であろうとも社会とかかわりを持って生きている。
しかしここでいう「社会的な身体」ということはそういうことではない。


道路、鉄道、石油コンビナートなど、およそ非人間的なものと
肉体的あるいは感覚的な関わりを持つということである。


一つは、産業や物流の構造や仕組みを良く知ることだろう。


そして産業や物流のネットワークを通じて自然との関わりを
見つめるということだ。


僕たちが胃や腸の位置を知るように、発電所やゴミ処理場などについて
知っているということだ。


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2011年12月17日土曜日

個展のお知らせ

個展をします。




THE LEMONS
2012年 1月23日-28日 
11:30-19:00 (-17:30 on 28th)


アーティストトーク 1月28日(土)  16:00-




ギャラリー現
東京都中央区銀座1-10-19 銀座一ビル3F
tel 03-3561-6869  www.jpartmuseum.com/g_gen/




梶井基次郎は、丸善で本を積み上げその上に檸檬を置き、それを爆弾と称した。そして「得体の知れぬ不吉な塊」を吹き飛ばした。基次郎の時代から80年あまりが経過したが「得体の知れぬ不吉な塊」は、ますます広く拡散している。それはグローバル資本主義経済であり、姿の見えない権力であり、世界全体を覆う人工物である。そして私はLEMONを設置する
 






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2011年12月5日月曜日

社会システムを如何にせん

現代はあまりにも複雑になりすぎたし、
現代社会で生活していくためには、非常にたくさんのことを学ばなければならない。
そういう生活の嘘っぽさを常々感じていたので、
自然-身体-精神-社会を一貫した線でつなぐ ということを始めたのだが、
どうしても超えなければならない壁が立ちはだかった。

社会システムだ。

僕たちは社会システムの中で生活している。
水さえも川から直接汲んで、直接川に返すのではなく、浄水場と水再生場という
2つのテクノロジーを経由しなければならない。
電気、ガソリン、ガス、食品、衣類、その他、その他・・・、
どこでどうやってで作られて運ばれてくるのかさっぱりわからない。

どうも、わけのわからないところに宙吊りにされているような気がしてならない。

そして、恐ろしいことにそういうことを問わなくても生きていけるのだ。

どうもすこしづつ解きほぐしていかなければならないようだ。
発電や送電の仕組み、金融の仕組み、情報ネットワークの仕組み、ありとあらゆる
社会システムの仕組みを。

社会システムは生命体のようなものだ。
つまり身体に例えられる。人体は、骨格系、筋肉系、循環系、神経系、リンパ系、消化系の
各層になっている。
それと同様に、社会システムにも重化学から情報産業まで、いろいろな系がある。

そしてたぶん、それらを一貫して理解しうるキーがあるはずだ。

身体では呼吸が自律神経を整える手段であるし、丹田という身体の中心感覚もある。

この社会システムという化け物を、手なずけるコツのようなものがあるのではないだろうか。
身体感覚と同じように、「社会システム感覚」を身に着けることができるかもしれない。

そして社会システムを、自分の身体に取り込んでいきたい。
そして、それをやった上で、再び自然に向きあうのだ。

2011年12月2日金曜日

Bioscapes

2011年のOlympus Bioscapesは、ビデオが多い。
私としては4th winnerのゾウリムシが秀逸と思う。
周囲をとりまく繊毛の細かな動き
収縮胞の動きなど
生きている迫力を感じる。



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