2010年12月26日日曜日

先住民の価値観に学べ

インディアン、アボリジニなど、世界の先住民について書いた本を何冊か読んでいる。
彼らと自然との関係について考えさせられる。
彼らにとって自然は圧倒的なので、彼らはその背後に霊的な力があると信じていた。
それらは精霊とか大いなる力とか呼ばれていた。




先住民の宗教は、キリスト教・仏教・イスラム教のような宗教とは違って創始者はいない。
神話と儀式、実際の生活にいたるまで一貫した生活思想である。
まさに、自然-身体-精神-社会をつなげる仕組みとして機能していた。

翻って現代、自然は遠くなった。
私達はどこか私達の知らない海でとれた魚、
知らないところで育った動物の肉、
計画的に栽培され、収穫された野菜を食べている。

しかし目を内側に向けてみよう。
私達は自然を持って運んでいる。
この肉体によって。
何十億年も前、我らの遠い遠い先祖が、海から陸に上がって
海の生存環境を肉体に閉じ込めて持って上がった。
そう考えるだけで畏敬の念を感じる。
自分がどこで何をしていようと関係ない。
私達は自然を持ち運んでいる。
エコロジー、CO2削減も大切だが、それは本質的なことではない。

我らは奇跡のような身体を持っており
私達の自我は、そこにほんの少し間借りしているわけだ。
中心が自我の方にあると、思い違えてしまうことがあるが
自然-身体の方がメインストリームである。
そこを外してしまうといろいろなトラブルが起こるだろう。

巷の世評では今の日本は閉塞しているという。
私に言わせれば60年代からずっと閉塞していた。
経済的に成長していない状況を指して、閉塞というのであれば笑止である。

私達は、もっと深くあるべきである。
経済発展ではなく、我々は「深化」すべきだ。
足元を見つめ、内部を見つめて、価値を自分のオリジンに定めるべきである。


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