2013年12月30日月曜日

個展案内「ハイデガーの技術論」

個展の案内です。

期間 2014年1月27日-2月1日(11:30-19:00 最終日-17:30)
場所 ギャラリー現 
    東京都中央区銀座1-10-19 銀座一ビル3F 03-3561-6869

展覧会名 ハイデガーの技術論  - 自然-身体-社会をつなぐ


田島鉄也がライブペイントをする日:1月27日(月)、2月1日(土)(時間は開廊時間終日)



奇妙なタイトルの展覧会だと思われるでしょう。
美術の展覧会で「ハイデガーの技術論」とは?
しかも芸術論ではなくて技術論・・・


実をいうと、最近私は、もっともらしい造形をすることには限界を感じています。

自然そのものであるはずの私の身体や精神は、現代の高度に発達した社会に追従して生きていて、そこに何か跨ぎ越すことが困難な、乖離を感じています。

一方、幾多の惨劇を繰り返しながらも地球規模で出来上がりつつある技術的な社会の姿には驚嘆せざるを得ない。
歴史的に見てこの100年間に起こった変化は、人口、生産された財の量、物流や人間の移動の点で爆発的な増加を示しており、「何か人類史上かつてない、とてつもないことが始まっている」と思わざるを得ません。
では、それは一体何なのか?






残念ながら、今のところ誰も答えてくれていません。

ハイデガーはまともにそれに答えようとしました。現代社会で興隆している技術の本質を捉え、それが「危険」であることを指摘しました。
しかし、肝心なところではぐらかすように言っています。
例えば、ヘンダーリンの言葉を引用して

「・・・人間はこの大地に詩人的に住む。」などと。



ハイデガーは「この世ならぬ視点」を持てる人です。いわば、まったく別の次元からの視点を私たちの世界に持ち込める人です。彼にはたぶん答えが見えていたのだ。しかし当時では彼のビジョンを人々に分かるように記述する言葉がなかったのだろう。

その哲学者が、以下のようにも言っている。

-技術の本質は、芸術の本質と同じである-と。

そうです。芸術はここにおいて、従来とは全く違う意味を持って来るのかも知れません。

芸術は、科学技術と同じようなインパクトを持っているというのでしょうか?
もちろん我々芸術家は、そのことを信じて疑わない人種なのですが、残念ながら芸術は、科学技術ほどの決定的な社会的インパクトを持っているとは言いがたい。
しかしハイデガーは、まったく違う文明の様態を想定していた。
芸術と技術が等価に扱われる文明を。

さらに私は、自然と文明の関係を重視し、神話もその文脈に組み入れて考えたいと思います。

私は、今回の展覧会では、上記に提示した課題の答えを求めて格闘したいと思います。
今までやってきた手によるアクションペインティングと同じように、壁に紙を貼り、筆やペンで考えたことを書き付けます。ハイデガーのテキストをガイドにしながら。
現代社会の身体的・感覚的理解に挑戦したいと思います。いわば思考のライブペインティングです。


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2013年12月2日月曜日

ジャガイモのために -沢渡大火- 2 ジャガイモを掘りにいってきました。

10月20日アップの内容にあったように、中之条ビエンナーレ2013において、昭和20年の沢渡温泉での大火にまつわる作品をつくりました。
大火の跡の残る蔵の前に、大火にとって重要な品であるジャガイモを植えたのですが、収穫時期が来たので、中之条までジャガイモを掘りに行ってきました。


本日(2013年12月1日)のようす。ジャガイモの葉はすっかりしおれている


ちなみに90日前の10月14日のようす



枯れた葉と茎

掘り出した白いジャガイモ

赤い種類のものも植えてました。

バケツに半分ほど取れました。でも小粒のものが多いです。
 このあたりでは秋植えジャガイモはやっていないし、中之条の園芸店でも「このあたりじゃ無理ですよ」と言われましたが、やらないわけにはいかないのでネット通販で秋植えジャガイモのタネイモを仕入れて植えました。
肥料くらいは最初に入れましたが、あとはろくな手入れもせず、蔵の隣の決して日当たりが良いといえないところでしたが、何とか実をつけてくれました。さすが非常食に使われただけあってジャガイモは凄いですね。

取れたジャガイモの大半は蔵の所有者の方に差し上げました。

そして大火の供養のためのお堂(天狗堂)を再建した旅館「龍鳴館」さんに、少々持って行きました。この旅館では30年来、大火のあった4月16日に天狗堂での講をおこなっています。立ち寄り湯に寄ったあと、女将さんとお茶を飲んでお話させていただきました。(ちなみにここの浴槽はヒノキで、触った感じが良いです)

龍鳴館での天狗堂再興の話はこちら


こちらは作品である石のジャガイモ

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