2011年4月29日金曜日

美しい新緑をどうやって表現したら・・・・




この美しい新緑を、どうやって表現したらいいのだろうか。
私がここでいう表現とは、単に伝える、ということではなく、
自分が感じている様子を、現実の物体として表しだすということです。


緑色の絵の具を使って、紙やキャンパスの上に描くということは、違う気がする。
あの葉脈に水分が流れる光輝く木の葉と、工場で作られた妙な匂いのする緑色の絵の具とは何の関係もない。


岡本太郎はこんなことを書いている。
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 私はいわゆる美術品に興味がない。芸術家でありながら、展覧会に行ったり、画集をひらいて見るなどということは、むしろ苦痛だ。それは狭い枠のなかに窒息してしまっている。なにか惨めな気がする。
 人間の生活はいつも全体であり、幅いっぱいにあふれ、ふくらんでいるはずなのに、その一部だけを引き抜いて固定し、形式化して味わうのだ。白々しい。

「美の呪力 Ⅰイヌクシュクの神秘」
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私も同じ考えだ。
芸術である、ということ自体が、敗北なのである。

できうるならば、私は新緑そのものでありたい。あの瑞々しい葉脈を張り巡らした若葉そのものとなりたい。
であるならば、若葉を客体として観察し、色や形を描き写すということが、いかに空しい作業であることか。
私は若葉そのものとなって独白したいのだ。それが完璧な表現となる。
いや、それは違う。
そのときは、すでに独白をする必要はないであろう。表現をする必要はなくなっている。

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2011年4月22日金曜日

緑とはこれほど美しい色か・・・



この時期の新緑の美しさには、ハッとさせられる。 眼を奪われる。その明るい緑色に包まれてしまう。
新緑を見るとき、私はすでに新緑になっている。
私の体から芽が吹き出ている。あるいは木から無数の私がにょきにょき出ている。


桜の木には、ガクの赤い色が隠れている なかなか面白い形だ。
植物の色形は実に官能的だと思う。命の中身がむき出しになっているかのようだ。


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2011年4月17日日曜日

中之条に下見に行ってきました

8月20日から行なわれる中之条ビエンナーレの会場下見にいってきました。

私に当てられた会場は3つ。廃校になった小学校の教室と体育館、そして交流センター「つむじ」。


廃校になった小学校の教室。ここが私の会場


体育館。ここも会場。何をするかはお楽しみ。
交流センター「つむじ」は画像を取ってこなかったけれどもこちら

町役所の唐沢さん、総合ディレクターの山重さん、つむじ担当の柴田さんらに会ってきました。


中之条は群馬県高崎から吾妻線という1時間に1本しかない電車で50分。
さしたる産業もないこの自治体は、文化事業での町おこしの道を選んだのです。
中之条ビエンナーレは、町の税金を投入して行なわれる手作り的なイベントです。
前回は16万人は訪れたというからたいしたものです。

このたびの地震の影響で温泉の観光客が減り、町のビエンナーレへの期待はますます高まっているようす。


中之条ビエンナーレは8月20日から行なわれます。
プレイベントの「温泉郷美術祭」は7月16日から行なわれます。

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2011年4月11日月曜日

正しい道を歩め

僕は、まだ何かに怯えている。
この恐怖の正体は何か。
大地が揺れることがそんなにも恐ろしいのか。


そうだ。私たちの肉体は、この恐怖を内包している。


もう一度訊く。何が怖いのだ。


自然が蓄える、巨大な、途方も無いエネルギーに
強い畏怖の念を感じるのだ。
そうして生身の身体に突き当たったときに。
自分の肉体では内包できない暴力と衝突したときに
私は心の底から叫びをあげる。


単に大地が揺れているのではない。
太古から在る、膨大な力が、
奥底から湧き上がってきて、
小さな皮膚の一端のような我々の肉体をゆすぶるのだ。




しかし、私はその恐怖を、私自身のものとしなければ。
大いに恐れ、大いに恐怖し、その恐れの本質を
その畏怖すべき巨大なエネルギーを
肉体の真に繋ぎ止めなければならない。


薄っぺらい恐怖ではない。
表面上の恐怖に戸惑うのではない。
肉体の内部が大地と呼応する、その凄まじさ。
それをしっかりと受け止めるのだ。
私は
絶えず自分の肉体に尋ねるという
正しい道を歩まねばならない。


辛い仕事だが、それをしなければ、
私は私自身を失うだろう。

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2011年4月3日日曜日

ぐじゅぐじゅのその後


今日は寒い。
避難所の人たちも寒いだろう。


神戸の時と違って今回は被災地の範囲が広いので
ガソリン不足で物資がいきわたらないと聞いています。


ガソリンや灯油を被災地に優先的に回すようにできないのか。



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